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「TSL問題」コーナーの開設にあたって

 今般、私のホームページにおいてTSL(テクノスーパーライナー)についてのコーナーを新設して、
この問題の意味するところについて、なぜ計画は断念されたのか、誰が責任を持つのか等について
考察をすすめていきたいと考える。

 そもそも、小笠原の島民にとって、本土との交通アクセスの悪さが、本土返還以来30年以上に
わたっての最大のテーマであった。

 従来の船舶による小笠原と竹芝との行き来は、片道25時間を要し、しかもほぼ週1回の往復しかない
という状況で、日本の国内にありながら、小笠原に行くのは地球の反対側のブラジルに行くよりも時間
がかかるという不便さをもたらしていた。

 もともと、こうした小笠原の悲願に対して、飛行場をつくり、空の便を開くという構想がつくられるのは
当然であった。

 しかしながら、東洋のガラパゴスといわれる小笠原には、世界でも極めて貴重な動植物、小笠原に
しか存在しない固有種が少なくなく、特に飛行場建って稀少性の生物が絶滅する恐れがあるとの理由
から、飛行場建設反対の声は存在した。

 こうした中、多くの島民の思いは、いかにしてアクセスをよくするかという要望と小笠原の自然を守る
という世論との間で翻弄されることとなった。

 こうした中、小渕内閣でミレニアムプロジェクトとしてスタートしたTSL計画が飛行機アクセスに
かわる代替案として本土―小笠原間の交通手段として浮上してきた。

 TSLによって従来片道25時間半かかる航海が17時間に短縮されるということである。

 勿論、TSLで17時間、飛行機ならその5分の一ぐらいの時間で小笠原―本土間を行き来できるという
ことを考え、一部の島民には、TSL反対で、従来通り飛行場をつくり航空アクセスを実現するべきとの
声があった。

 しかし多くの島民は、TSLによって、現状よりもはるかに交通アクセスがよくなるということを考えて、
妥協するなり、また評価するという声があった。

 私が過日、小笠原を訪問したときに、ある女性が「私たちは、飛行場建設によって小笠原はよくなると
10年言われて裏切られ、今度はTSLで交通アクセスがよくなると5年間言われ、また裏切られました。
ふたたび飛行場建設だと言われて、一体何年待てばいいのでしょうか?」と、私に訴えていたが、
島民の思いとしてそれは当然のことと考える。

 ここで、私が問題にし、このコーナーで今後扱っていきたいのは、小笠原と本土との交通アクセス
として、環境問題も踏まえて構想されたTSL計画がなぜ頓挫したのか?
 その本当の理由は何なのか?
 そして既に115億円も掛けて建造した船、「スーパーライナーオガサワラ」が存在しているのだが、
その船は一体どうなるのか?
 そして、こうして失われた十年についての責任は誰がとるのか?
 また、計画失敗全体の責任は誰がとるのか等について徹底的に検証していきたいと考える。

 その過程から、総無責任体制の官僚のあり方をあぶりだし、真の責任の所在と真のとりやめの理由を
明らかにすることは、政治家の使命の一つであると思うからである。


 したがって、この問題について一人でも多くの方々から、少しでも情報をいただきたいと思っている
ことも、このホームページをごらんの方々にお願いするしだいである。

平成17年12月吉日

衆議院議員 まつばら 仁